Kyoto Sonata, production still, 2020. © Samson Young. Image courtesy of the artist. Photo: Dennis Man Wing Leung.

「アーティストとの対話: Samson Young」

  徳田 佳世 (Curator)

 

キュレーター (Q): 外出自粛中はどのように過ごしていますか? 

 

Samson Young (A): 香港ではあまり活動の制限がなかったです。今でもスタジオに行っていて、ほぼ毎日、朝8時半にはスタジオにいます。海外へ出かけられない分、スタジオでの作業にいつもより集中し、幸せに過ごしています。   

Q: 最近おもしろい!と思った本や音楽を教えてください。

 

A: 最近読んだ本、読み始めた本をいくつか紹介します。  

 

Eldritch Priest, Boring Formless Nonsense

Elaine Scarry, Dreaming by the Book

Peter Schwenger, Asemic: The Art of Writing

Carl Wilson, Let's Talk About Love: A Journey to the End of Taste

Han Kang, Human Acts

Rutger Bregman, Humankind    

 

音楽は、非常に多くの楽曲があり紹介しきれませんが、ここ数ヶ月はユーフォニアムと金管アンサンブルのための作曲に取り組んでいたので、ユーフォニアムのソリストの楽曲を特にたくさん聴いています。   

 

Q: 食、エコロジー、環境についての考えを聞かせてください。   

 

A: 私は、自然環境は私たちにとって十分に豊かなものを持っていると思っていて、今回のパンデミックは、私たちがその現実を認識する非常に穏やかな方法だと捉えています。     

 

 

Q: アーティストであること

  (この時期に、どのように/何を感じ/考えていますか?)   

A: 私の実践がこの一年で/この一年の出来事によって、大きく変化しているということは確実に言えます。しかし、まだ自分の変化を「感じている」状態なので、どのような形で変化したのか正確には言えません。少しずつ変化している自覚はあったのですが、現在の危機によって加速しています。ただ、これまでに私が気付いたこと、それについて言葉にできることが2つあります。

 

(a) 私は自分自身が形にずっと興味を持ち始めていることに気がつきました。

これは、以前は形を疎んじていた/軽視していたという意味ではなく、意味を作り出す他の方法とは独立した、形の自己言及言語について探求し直し始めているということです。  

 

(b)私たちの現実との関係は危機的な状況にあると思います。

アーティストたちが常に幻想と現実の間の「インターフェース」を扱ったり/ひねくり回したり/探求し直したり/私物化したりしている限り、アーティストたちはこの危機にどのような貢献をしてきたのだろうかと疑問に思い始めました。

これは色々な意味で、プラトンとアリストテレスの芸術観の対立に端を発した非常に古い議論なのですが、私たちはこの議論の潜在的な意味合いを真剣に受け止めていなかったのかもしれません。   

Q: 新作、新刊、展覧会の予定はありますか?   

 

A: 今月下旬に台北で披露される金管アンサンブルのための長編の作曲がちょうど完成しました。その後は、12月に予定されているコチビエンナーレ(インド)のための新作に集中します。  

Kyoto Sonata, production still, 2020. © Samson Young. Image courtesy of the artist.

Photo: Dennis Man Wing Leung.

Photo: Fritz Beck

Samson Young

 

2013年にプリンストン大学にて作曲の博士号を取得。多角的な表現を行うアーティスト/作曲家。

2017年、第57回ベネチアビエンナーレに香港代表として参加したほか、近年はパフォーマ19(ニューヨーク/2019年)タルボット・ライス・ギャラリー(エジンバラ/2019)、スマート美術館(シカゴ/2019)などで展示を行う。

2019年アルス・エレクトロニカ賞優秀賞(サウンドアート、デジタルミュージック部門)、2015年BMW アート・ジャーニー・アワード、2013年香港芸術発展局 年間最優秀作家賞(メディア・アート部門)他受賞多数。

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